- お腹がギュルギュル・ぐるぐる鳴るのは病気?
- お腹がギュルギュル・ぐるぐる鳴る原因
- お腹がギュルギュル・ぐるぐる鳴る人の特徴
- 特に心配のいらない腹鳴
- 注意が必要なお腹の音
- お腹にガスが滞留する原因
- お腹がギュルギュル・ぐるぐる鳴るときの対処法
お腹がギュルギュル・ぐるぐる
鳴るのは病気?
突然お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴ることがあると思います。静かな環境で鳴ってしまうと恥ずかしい思いをする上、自分で止めようと思ってもなかなか止めることができません。
お腹の音がギュルギュル・ぐるぐると鳴るタイミングは、人によって個人差があります。毎日のように鳴る人もいれば、ほとんど鳴らない人もいます。また、お腹が頻繁に鳴ると、何らかの腸の病気だと不安になる方も多いと思います。しかし、お腹がギュルギュル・ぐるぐる鳴ったとしても、必ずしも病気が原因というわけではありません。
以下では、お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴る原因や対策方法について説明します。
お腹がギュルギュル・ぐるぐる
鳴る原因
お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴る現象を正式には腹鳴と言います。主な原因は、腸にガスが滞留していることが考えられます。腸の中に多くガスが滞留していると、蠕動運動によって腸が動く際に滞留しているガスも同時に動くため、ギュルギュル・ぐるぐるという腹鳴を発するようになります。特に腸内の狭い部分にガスが移動すると、大きな腹鳴を起こす傾向があります。毎日のように大きな腹鳴が起きると、何らかの腸の病気を疑う方もいらっしゃいますが、必ずしも何か腸の異常が起きているわけではありません。
また、腸内に滞留したガスは水分や食べ物と一緒に排出するように働くため、その際にはさらに大きな腹鳴が生じることもあります。
お腹がギュルギュル・ぐるぐる
鳴る人の特徴
ギュルギュル・ぐるぐるといった腹鳴を起こす人の主な特徴は以下となります。該当する項目がある場合には、腸にガスが滞留しやすい傾向があります。
- 脂分の多い食事習慣がある
- 過度な飲酒習慣がある
- 香辛料などの刺激物を好んで食べる
- 食事のスピードが早く、食べ物をよく噛まない
- 運動習慣があまりない
- 仕事などで長時間椅子に座ることが多い
- 便秘気味である
- 冷え性気味である
日常的に椅子に座っている時間が長い方は、常に胃腸が圧迫され続けることで体内にガスが滞留しやすくなり、ギュルギュル・ぐるぐるという腹鳴を起こしがちになります。また、女性に多く見られる冷え性も、体内のガスの滞留を促して腹鳴を起こしやすくなります。
特に心配のいらない腹鳴
お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴ることは、ほとんどの場合は特に心配する必要はありません。具体的には、以下のような状況で腹鳴が起きる場合は、問題ありません。
食後
食後は、食べたものを消化するために各消化器が活発に働くため、お腹の音が鳴りやすくなります。
空腹時
空腹時は胃が収縮し、水分や食べ物の残りかす、消化の際に発生したガスなどによって、お腹の音が鳴ることがあります。食事の際に食べ物と一緒に空気が体内に取り込まれると、胃で消化されたものが小腸を通過する際にお腹の音が鳴りやすくなります。
乳製品の摂取
牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂取すると、乳糖を分解するラクターゼの量が減少して消化機能が一時的に低下する乳糖不耐症を起こすことがあります。その結果、全ての乳糖を腸で吸収できず、腸内にガスが滞留してお腹がゴロゴロと鳴ることがあります。
日本人の9割は乳糖不耐症という報告もあるため、注意が必要です。
アルコールや香辛料などの刺激物の摂取
アルコールや香辛料などの刺激物を摂取すると、これらを消化するために腸の働きが活性化してお腹が鳴ることがあります。特にアルコールは腸に過剰な刺激を与えるため、多くのガスが発生してお腹が鳴りやすくなります。
妊娠初期
妊娠初期には腸の蠕動運動が低下し、ガスが腸内に滞留しやすくなってお腹が鳴ることがあります。
注意が必要なお腹の音
上記のような状況以外でも、お腹がギュルギュル・ぐるぐると激しく鳴る場合があります。特に以下のような症状が現れた場合には、注意が必要です。
下痢や便秘、腹痛
お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴るとともに、便秘や下痢、腹痛などの症状を伴う場合には、過敏性腸症候群の可能性があります。過敏性腸症候群は、主に過度なストレスの蓄積などが原因で発症し、腹部に様々な症状を引き起こす病気です。
吐き気や嘔吐
お腹がギュルギュル・ぐるぐると鳴るとともに、吐き気や嘔吐などの症状を伴う場合には、細菌やウイルスによる感染症の可能性があります。嘔吐が繰り返し続くと脱水症状など危険な状況を引き起こしますので、できるだけ早めに当院までご相談ください。
おならの臭いがきつくなる
普段よりもおならの臭いがきついと感じる場合には、何らかの原因によって腸内環境に障害が起きている恐れがあります。腸内環境が悪化すると悪玉菌が増加してガスが滞留しやすくなり、お腹の音が鳴るようになります。
過度なストレス
過度なストレスの蓄積や緊張などによって自律神経の働きが乱れると、胃腸の機能が低下してガスが滞留し、お腹が鳴ることがあります。前述通り、過度なストレスは過敏性腸症候群の原因にもなるため、適度にストレスを発散することが大切です。
お腹にガスが滞留する原因
ギュルギュル・ぐるぐるといった腹鳴の原因のほとんどは、腸内のガスの滞留です。ガスの滞留は、主に腸内環境の悪化によって引き起こされます。腸内にガスが蓄積していくと、これらを排出しようと腸が活発に働くため、さらにゴボゴボといった腹鳴を起こします。
腸内環境が悪化する原因としては様々なものが考えられますが、最も多く見られるケースは脂分の多い食事や過度のストレスの蓄積、便秘など、食事習慣や生活習慣の乱れです。これらによって腸内の悪玉菌が増加すると、腸内環境が悪化して大量のガスが発生するようになります。
お腹がギュルギュル・ぐるぐる
鳴るときの対処法
ギュルギュル・ぐるぐるといった腹鳴を解消するには、腸内環境を改善することが最も大切になります。生活習慣の見直しなどを行い、腸内で悪玉菌より善玉菌の方が有意に働くようになると、腸内環境が改善されて腹鳴を起こさなくなります。
腸内環境の改善方法としては、以下のような対処法があります。改善するまでには時間を要しますが、積極的に行っていきましょう。
食事習慣の見直し
腸内環境を改善する最善策は、食事習慣の見直しです。具体的には、プロバイオティクスという善玉菌を含む食品や、プレバイオティクスという善玉菌を活性化させる食品を多く摂ることが効果的です。
主な善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌、麹菌などのため、代表的なプロバイオティクス食品は、ヨーグルトやチーズ、納豆、味噌、キムチなどになります。
また、善玉菌を活性化させるプレバイオティクスは、オリゴ糖や食物繊維になります。オリゴ糖は野菜や果物、豆類などに多く含まれているため、豆類やバナナ、ごぼう、玉ねぎ、アスパラガスなどを多く摂取すると良いでしょう。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。特に水溶性食物繊維は善玉菌の増殖に効果的で、海藻類やきのこ類、ムギ類、ごぼう、オクラなどに多く含まれています。
適度な運動習慣を身につける
適度な運動習慣を身につけることは、腸内環境の改善に効果的です。運動は継続性が大切になりますので、いきなり激しい運動を行うのではなく、まずは軽めの運動を毎日継続することを心がけましょう。具体的には、1日30分程度のウォーキングや軽めのジョギング、水泳などの有酸素運動を行うと、血流が促進されて免疫力の向上にもつながります。
なかなか毎日運動する時間が取れない場合には、通勤時に一駅分多く歩いたり、エスカレーターではなく階段を積極的に利用するなどを心がけてみましょう。また、休憩時間などに適度なストレッチを行うことも効果的です。
自律神経を整える
腸の運動は自律神経によって支配されています。ところが、過度なストレスの蓄積や緊張状態になると、自律神経のバランスが乱れて便秘や下痢などの症状を引き起こします。従って、ストレスを蓄積しすぎないように、趣味などリラックスできる時間を確保する、適度に運動する、十分に睡眠を取るなどして、上手にストレスを発散するよう心がけましょう
整腸剤を活用する
腸内環境を整える方法として、整腸剤による薬物療法があります。整腸剤には様々な種類があり、効果には個人差があります。また、効果が現れるまで時間がかかりますので、まずは1ヶ月間ほど継続して使用し、お腹の調子が改善するかどうか確認してみましょう。
どの整腸剤を選択すれば良いかはわからない際には、お気軽にご相談ください。