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  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

    胃潰瘍とは

    胃潰瘍とは胃潰瘍は、強酸性である胃酸が過剰分泌を起こすことで胃粘膜に潰瘍ができる病気です。初期の段階では胃粘膜上にびらんを形成し、進行すると胃粘膜層から筋肉層にまで範囲が拡大して潰瘍を形成します。
    正常な状態では胃粘膜が胃壁を保護していますが、長い間胃粘膜が炎症を起こしたり、胃粘膜の防御機能が低下することで胃潰瘍を発症します。


    十二指腸潰瘍とは

    十二指腸潰瘍とは十二指腸潰瘍は、強酸性である胃酸などによって十二指腸粘膜が損傷し、潰瘍を形成した状態の病気です。
    正常な状態では、胃酸によって消化されたものは問題なく十二指腸に送られますが、何らかの原因で十二指腸粘膜が炎症や損傷を起こしたり、胃酸そのものが十二指腸に流れてくることで十二指腸潰瘍を発症します。


    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な原因は、以下の2つに分類されます。

    ヘリコバクター・ピロリ菌

    潰瘍を形成する原因の一つが、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染になります。胃や十二指腸がピロリ菌に感染すると、胃・十二指腸粘膜が炎症を起こして防御機能が低下したり、免疫機能が低下します。その結果、胃や十二指腸の粘膜が損傷を起こし、潰瘍を形成するようになります。
    胃潰瘍の約8割、十二指腸潰瘍の約9割以上はヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因であると報告されています。

    ピロリ菌

    NSAIDs
    (非ステロイド性抗炎症薬)

    NSAIDsとは非ステロイド性抗炎症薬のことで、頭痛や腹痛などを緩和させる効果があります。NSAIDsにはプロスタグランジンという痛みや炎症を抑制する成分が含まれていますが、このプロスタグランジンは胃粘膜や十二指腸粘膜を防御する因子の機能も低下させてしまうため、潰瘍を形成しやすくなります。


    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

    上腹部痛

    胃・十二指腸潰瘍の症状の中で、最も多いのが上腹部痛です。胃潰瘍の場合は食後1時間~1時間半頃に、十二指腸潰瘍の場合は空腹時や夜間に、上腹部あたりに痛みが生じるようになります。
    痛みの症状は、鈍い痛みや焼けるような痛み、うずくような痛みを発するのが特徴です。

    出血

    潰瘍が進行すると、潰瘍部分から出血することがあります。少量の出血の場合は、嘔吐物に黒っぽい血液が混入する程度ですが、大量の出血の場合には、嘔吐物が真っ赤に染まったり、便に血液が混入して黒色便となることもあります。

    その他の消化器症状

    上記以外の症状では、吐き気や嘔吐、胸やけ、げっぷ、腹部膨満感、食欲不振などが挙げられます。ただし、中にはあまり自覚症状が現れずに、健診などで胃カメラの検査を実施した際、偶然見つかるケースも見られます。
    また、NSAIDsが原因の潰瘍の場合には、NSAIDsが上腹部や胃の痛みを緩和させてしまうため、本人も気づかないまま症状が進行して、突然出血を起こすこともあります。そのため、普段から解熱鎮痛剤などを服用している患者様は、特に注意が必要です。
    胃に気になる症状が現れた場合や黒色便がみられた場合には、できるだけ早めに当院までお気軽にご相談ください。


    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状は
    胃がんと類似

    胃・十二指腸潰瘍の症状は胃がんと類似した特徴があるため、症状だけでは鑑別することは難しい病気です。実際に、胃・十二指腸潰瘍だと思って胃カメラ検査を実施した結果、胃がんが発見される事例もあります。
    そのため、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの診察には、消化器内視鏡専門医による検査や治療が必要になります。当院には経験豊富な消化器内視鏡専門医が在中しておりますので、お気軽にご相談ください。

    胃がん


    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の
    検査・治療

    検査・治療胃・十二指腸潰瘍の検査には、胃カメラ検査が有効です。胃カメラ検査は胃・十二指腸の粘膜の状態を直接観察できるため、気になる病変を高い精度で発見することが可能です。
    検査の結果、胃・十二指腸潰瘍が疑われる病変が発見された際には、胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬による治療を行います。また、これら病気は生活習慣の乱れが原因の場合が多いため、同時に生活習慣の改善指導も行います。具体的には、過食や過度な飲酒を控える、禁煙する、カフェインやアルコール摂取を避ける、香辛料などの刺激物を避けるといった取り組みを実施します。これら治療を約6~8週間継続すると、多くの場合症状は改善します。

    胃カメラ


    胃潰瘍・十二指腸潰瘍の
    食事療法

    胃・十二指腸潰瘍は生活習慣の乱れが原因の場合が多いため、食事習慣を改善することは治療を行う上で大切です。症状をできるだけ抑え、胃・十二指腸の負担を軽減させるためにも、前述したようなできるだけ避けた方が良い食品は、あらかじめ把握しておきましょう。
    また、激しい吐き気や嘔吐を伴う場合には、一時的に絶食して胃を休息させる方法もあります。しかし、あまり長い期間絶食を行うと、反動で胃の働きが活性化してしまい、かえって負担が大きくなることもあるため注意が必要です。
    どの程度食事制限や絶食を行うかは、医師の指示に従うようにしましょう。

    食べても良い食品

    次の食品は胃に負担をかけにくいものです。

    食べても良い食品
    穀類 白飯、おかゆ、うどん
    芋・でんぷん類 じゃがいも、里芋、やまいも
    菓子類 プリン、ババロア、カステラ、ゼリー
    果物 バナナ、りんご
    魚介類 白身魚、白はんぺん
    肉類 鶏肉、赤身肉(脂身が少ないもの)
    玉子 半熟卵、茶碗蒸し
    豆類 豆腐、高野豆腐、豆乳
    乳製品 牛乳、ヨーグルト、チーズ
    野菜 ほうれん草、人参
    油脂 サラダ油、マヨネーズ、バター

    避けたい食品

    次の食品は、胃に負担をかけやすいものです。できるだけ控えましょう。

    避けたい食品
    穀類 玄米、ラーメン、すし飯、きのこご飯
    芋・でんぷん類 ポテトフライ
    菓子類 ケーキ、ようかん、チョコレート
    果物 柿、アボカド、ドライフルーツ
    魚介類 たこ、イカ、うなぎ、さば
    肉類 ばら肉、ベーコン、鶏皮
    玉子 固茹で卵、生卵
    豆類 油揚げ、厚揚げ、がんもどき
    乳製品 生クリーム
    野菜 ごぼう、たけのこ、セロリ、きのこ、海藻
    油脂 ラード、フライ、天ぷら