肛門内科について
当院の肛門内科では、肛門周辺の痒み・痛みやしこり・できもの、排便時のトラブルなど、肛門に関するお悩みや病気に対して診察・治療を行っております。診察によって疑わしい病変が見つかった際には、大腸カメラ検査を実施することも可能です。
肛門の病気の中で最も多いものは痔であり、日本人の3人に1人が痔に悩んでいるという報告もあります。痔は、いぼ痔(内痔核・外痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(痔瘻)の3つに分類され、それぞれに対して治療法も異なりますので、気になる症状が現れた際にはお気軽に当院までご相談ください。
女性医師による肛門科診療
当院の肛門科には、女性医師も在籍しています。肛門科の診療では服を脱いだり恥ずかしい体勢にならなければならないこともあるため、女性の患者様でもお気軽に受診していただけるよう、患者様のプライバシーを最大限配慮した体制を整えております。
診察・診療で女性医師をご希望の際には、事前に女性医師が診療している日時をご確認いただいた上でご来院ください。
(現在は主に水曜日となります。月曜午前も内視鏡検査の女性医師の手が空いていれば診察可能です。)
肛門内科でよくある症状
- 肛門の周辺に痒みを感じる
- 肛門の周辺に痛みを感じる
- 排便時にお尻が痛む
- 排便時に血が混じる
- 血便・下血を伴う
- 肛門が出血している
など
肛門内科でよくある病気
- いぼ痔(内痔核・外痔核)
- 切れ痔(裂孔)
- 痔ろう(あな痔)
- 直腸脱
- 直腸がん
- クローン病による肛門の病変
- 肛門周囲膿瘍
- 単純性ヘルペス
- 肛門尖圭コンジローマ
- 肛門周囲炎
など
いぼ痔(内痔核・外痔核)
いぼ痔とは肛門がいぼ状に腫れる病気で、症状が現れた場所により内痔核と外痔核に分類されます。腫れた場所が肛門の内側の場合が内痔核、外側の場合が外痔核となります。一般的に、内痔核の場合は肛門の内側にいぼが生じ、排便時に出血しますが痛みはあまり伴いません。一方で、外痔核の場合は肛門に大きな腫れが生じて激しい痛みを伴います。主な原因は、長く続く便秘などで排便時にいきむことで肛門部に負担がかかり、その結果肛門周辺の静脈叢がいぼ状に腫れると言われています。
切れ痔(裂孔)
切れ痔とは、何らかの原因によって肛門周辺の皮膚が損傷を起こす病気です。切れ痔になると、排便時に少量の出血とともに激しい痛みを伴うようになります。
主な原因は、下痢の際に便が勢いよく肛門を通過したり、便秘の際に硬く太い便が肛門を通過することなどが挙げられます。無理なダイエットを行うなどして便秘になると切れ時を起こしやすくなるため、注意が必要です。
痔ろう(あな痔)
痔ろうとは、何らかの原因によって肛門の周辺に膿のトンネルが生じる病気です。主な原因は、肛門が細菌に感染することなどで肛門周辺が損傷を起こし、その後皮膚と粘膜の境界部分の歯状腺に便が混入して炎症が起きることで発症すると考えられています。正常な状態では、歯状腺に便が混入することはありませんが、下痢などで水分を多く含む便の場合は混入しやすくなります。初期の段階では肛門周囲膿瘍になり、病状が慢性化することで痔ろうと診断されます。
痔ろうの主な症状は、肛門周辺に強い痛みが生じたり、発熱を伴うこともあります。
肛門に負担をかけない生活習慣
姿勢
日頃から肛門に負担のかかる姿勢を続けると、痔になりやすくなります。具体的には、長時間椅子に座り続ける、長時間立ち続ける、長時間同じ姿勢を維持するなどの習慣がある場合には注意が必要です。また、重いものを持つ際に下半身が力み過ぎても痔を誘発する恐れがあります。
血行の改善
痔の改善や予防には、湯船にゆっくり浸かって身体を温め、血行を促進することが効果的です。
便秘の改善
便秘になると便を排出するのが困難になることから、必要以上にいきんで下半身に負担をかけ、痔を誘発します。便秘気味の際には、まずは便秘を改善することが大切です。
排便時に強くいきみすぎない
ようにする
便秘でない場合にも、排便時に強くいきむ癖がある方は注意が必要です。強くいきむと、肛門の鬱血を促進して痔の悪化を招きます。したがって、残便感がある際には無理に便を出そうとしないように心がけましょう。
肛門の負担を減らすために…
下痢になると、肛門括約筋が正常の状態よりも緊張を起こし、肛門の鬱血を促進して痔の悪化を招きます。そのため、便秘の際と同様に、まずは下痢を改善することが痔の予防につながります。
また、過度の飲酒や喫煙も血管の拡張・収縮に悪影響を及ぼし、痔を誘発しますので注意しましょう。その他では、香辛料などの刺激物を過剰に摂取すると、それらが消化されずにそのまま排出されることで肛門の負担が増大します。したがって、痔を発症している際には香辛料の摂取は避けるようにしましょう。
診察の流れ
1予約・問診・受付
2診察準備
診察の前準備として、患者様にはベッドで軽く膝を曲げたような体位で横になっていただきます。その際、下着を大腿付近まで下げていただき、腰部にはバスタオルをかけさせていただきます。
3診察
診察の際には、医師が必要な部分だけバスタオルをめくって診察を行います。また、診察では視診とともに、必要に応じて触診を行います。なお、触診は麻酔ゼリーを塗布したゴム手袋を着用して行いますので、痛みによる負担はほとんどありません。
4診断・ご相談
診察後には、患者様に診察結果を丁寧にご説明いたします。また、大腸カメラ検査や治療が必要と判断した際には、その旨も合わせてご提案させていただきます。何かご不明な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。